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スバルは伝統と意地こそ真骨頂!! WRX STIは絶滅危惧種じゃない!!! 初代試乗をプレイバック!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

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スバルは伝統と意地こそ真骨頂!! WRX STIは絶滅危惧種じゃない!!! 初代試乗をプレイバック!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

 ベストカー本誌で30年も続いている超人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」。過去の記事を不定期で掲載していきます。今回はスバル 初代WRX STI タイプS(2014年8月デビュー)に、2017年5月の大幅改良を受けたタイミングで試乗!(本稿は「ベストカー」2018年2月10日号に掲載した記事の再録版となります)

PHOTO/西尾タクト

スバルは伝統と意地こそ真骨頂!! WRX STIは絶滅危惧種じゃない!!! 初代試乗をプレイバック!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

■マグロの内臓みたいなエンジンにスバルの伝統と意地をみた!!

WRX STI最大の見どころはエンジンにあると言っていい。こんなにメカメカしいエンジンは久しぶりだ!

 皆さん、あけましておめでとうございます!

 新年とはまったく関係ない報告ですが、わたくし、ジムニーシエラを買いました! どこを走っていてもガタガタ揺れるラダーフレームの乗り心地にぞっこんです! あの揺れがないと落ち着かないくらいだ!

 もうひとつ、新年と関係ない報告をします! 今回の試乗車はスバルWRX STI! なぜ年明け1号目にWRX STIなのか?

 新年号には新年号にふさわしいクルマというものがありそうなものなのに、編集担当そういうことをまったく考えていません。ぜんぜんダメです!

 そんなわけで、いつもの撮影場所にWRX STIが置いてあるのを見てもピンとこなかったというのが正直なところ。

「マイチェンしてどこが変わったの? ブルーがちょっと濃くなった?」「アイサイトが付いていない4WDターボ車なんて特攻隊みたいなもの。STIは『永遠のゼロ』だ!」など外観を眺めながらどうでもいい話をしていたのだが、しかし、WRX STIはそれで終わるクルマではなかった。

 運転席のレカロシートに座ったとたん、私の頭のなかの何かのスイッチが明確に入ってしまったのだ。

 シートの座り心地が抜群にいい。レカロというと、がっちり体を固めるイメージだが、これは適度にタイトで適度にソフトという絶妙さで、しかも電動。

 このシートに座っただけで質の高いクルマであることが伝わってくる。クラッチを踏んでマニュアルシフトを動かしてみると(止まったままです)、その予感が確信に変わる。急にやる気が出てきた!

 いてもたってもいられず、ボンネットを開けてエンジンルームを見たのだが、ここでもビックリ。いまどきこんなにいろんなものが見えるエンジンがあるだろうか! 

 最近のクルマのエンジンはヘッドカバーしか見えないものばかりなのに、WRX STIはあらゆるパーツが全部見えるではないか。

 まるでマグロの内臓、もしくは理科室にある人体模型、あるいは昔懐かしのキカイダー、もう少しいい表現をするならおしゃれな時計の裏側。とにかくメカメカしくスキマがない。増築に増築を重ねた旅館みたいだ。

 なんでもシンプルなのがありがたがられるこの時代に、こんなに複雑なものを見るのは久しぶりである。もうひとつついでに工場夜景も連想してしまう。マグロ、夜のコンビナート、STI。いったいどういうクルマなんだァ!

 これは走らせねばなるまい。WRX STIは眺めるクルマではなく、走らせるクルマなのだ!

■WRX STIは本物の職人が作る料理だ! でもこのままで新しいファンがつくのか?

走ればわかるこのクルマのすばらしさ。意味なくアクセルを踏み込みたくなる!

 走ってもビックリだ。上質ではなく荒々しさを感じさせるところがいい。外国人は魚を食べるにしても原形のままでは食べない。

 フランス料理もイタリア料理も魚のかたちのまま出てくるメニューはほとんどないし、ナマでは食べない。

 それに対し、日本人は目の前で殺して食っちゃう時だってある。どちらがいい悪いではなく、日本人は加工していないものが好きなのだ。

 WRX STIの走りはまさにそれだ。ドイツ車は走りに品があるが、これは違う。エンジンの鼓動もタイヤの振動もストレートに体に響いてくるのだ。

 GT-RもNSXもこんな感じだった。日本のスポーツカーはわかっていて「こっち側」にいるのである。

 WRX STIは料亭の料理や職人が作るケーキのようなものだ。何十年も修行した料理人でしか作れない味がある。

 いくらコンビニやファストフードの食べ物がおいしくなっても、本物の料理人の味には絶対にかなわない。それが伝統というものだ。スバルはこのクルマを作るまでにどれだけの努力をしてきたか。そんなことを考えさせられる。

 私は今回、大いなる勘違いをしていたかもしれない。WRX STIは絶滅危惧種だと思っていたが、去りゆくものではなく、これからさらに輝いてゆくものなのかもしれない。

 もしも、WRX STIから別のクルマに乗り替えたら、その喪失感は相当なものだろう。「STIロス」だ。そんなクルマはそうはない。

 ただひとつ心配なのは、このままで新しいファンがつくのだろうかということだ。WRX STIはユーザーが高齢化しているはずだ。

  私も「いいな」と思ったのは乗って、走ってからであり、眺めている時にはワクワク、ドキドキするところはなかった。ぜひ、見た目も雰囲気もかっこよくて新しいWRX STIを目指して欲しい。

 冒頭で「新年1号目でなぜWRX STIなのか?」と疑問に思ったと言ったが、私は間違っていた。新年早々ありがたいクルマに乗れたと感謝している。今年もよろしくね。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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みんなのコメント

4件
  • のと
    最近昔の記事の再録多いな
    タイトルに再録と書いて欲しい
  • erkpa
    古いエンジンや技術ばかりのスポーツタイプの車は今の時代ないから珍しかった
    最新鋭で凄い車はこれからも出てくるけど全盛期を思い出させる面白さがある車はあれが最後だった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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